ILSが無くてはならない保険リスクのファイナンス手段に成長

ILS市場は、1990年代後半、米国で発生した2つの大災害がフロリダ及びカリフォルニアの保険市場を壊滅寸前まで追いやった後に創設されました。これらの災害を受け保険業界における資本規制が大幅に強化されたことを契機として、ILSの中でも最も広く知られるCAT債が台頭することとなりました。その後、更なる規制強化に加え、災害が頻発する地域での止めどない不動産開発の進展に伴い、資本拡充の要請は一段と強まっています。ILS市場は残高100兆ドルを超え、事実上世界最大の保険会社として、投資家がこの要請に応える術を提供しているのです。

ILS投資は、リスク・リターンの独立性を実現します。市場参加者は、災害リスクへの対価に加え、保険・再保険業界が資本要件から解放されることが生み出す超過収益を獲得する一方、損失リスクは被保険災害の発生に限定されるのです。また、伝統的資産に関するリスクを幅広く取る投資家にとって、ILSはリスク・プレミアム分散の為の重要な手段にもなります。こうした優位性を背景に、ILSはオルタナティブ投資の一環として、世界中の機関投資家及び個人投資家の間で急速な拡がりをみせています。

<span>ILS<span class=市場の残高推移 (10億ドル)"> ILS市場の残高推移 (10億ドル) Y軸:10億ドル  出所:Fermat、Aon Benfield Analytics 2018年10月時点